ヒーローってなんだ?

ダルさんがヒーローになるために思った事を綴るblogです

三人と三人 -ダークヒーロー編①-

-これはバジオウとラゴウ誕生前の物語-

 

登場人物 

マナブ…3つの人格を持つ男。父親を亡くした過去の事件のトラウマで解離性同一性障害となる。現在は精神病を患う母を救うために生活をしているが母が悩みのタネでもある。ファースト・セカンド・サードと人格を呼び分ける。本名はマナブ。

 

エイタ…両親を失った3兄弟の長男。乱暴者で身体能力に長けている。

オリエ…3兄弟の長女エイタの妹。柔軟性に優れ潜入と変装が得意。

カンタ…3兄弟の末っ子。実は血がつながっていない。頭脳に長けている。

 

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とある児童養護施設
“友愛”と書かれた特別室
ドアをノックする職員

 

職員A「出てこれるようになったら皆と遊ぼうね」

 

反応がない

 

職員A「マナブくん?」

職員B「だんだん慣れてきたと思ったのに…」

職員A「あの子達よ」

職員B「まったく、困った…」

マナブ「僕は盗ってない…」

職員A「え?なんて言ったの?」

マナブ「…僕は盗ってない…」

職員A「盗ってない?」

マナブ「あれは俺のだ!!」

職員B「え?」

 

ドアをドンドン叩きながら怒号が響く

 

マナブ「あいつらが俺から盗ったんだ!!俺のものなのに!!うあああ!!」

職員B「落ち着け!」

 

ドアを抑える職員達

 

職員A「マナブくん!大丈夫!ここにいれば安心だから!」

マナブ「うああああ!!!」

職員A「この部屋にいて良いから!誰にも盗られないから!…」

マナブ「…ここにいて…いいの?」

職員A「良いよ、大丈夫。だから安心して」

 

しばし静寂

 

職員B「お…収まったのか?」

 

ドアの下部についた食事受けの扉から少年の手が伸びる
食事を中に引き込むと、すすり泣く声が聞こえる

 

職員B「病院に…一度診てもらった方が良いかもしれない」

職員A「この子のお母さんも、ここで預かる事になるまで、ずっと言ってた」

職員B「え?」

職員A「私のもの盗るなって」

 

数年後…

 

警察官「マナブくん…それとエイタくんね。お兄ちゃんなんだからお手本にならないと」

エイタ「はい、すみません、もうしません」

マナブ「うるせぇな…」

警察官「おん?」

エイタ「まぁまぁ、アニキは怒り出すとずっとこうなんで、すみません。」

 

警察署を出る4人
内3人は兄妹

 

エイタ「カンタ出せ」

カンタ「あい」

 

カンタが取り出したのは、スーパーのセキュリティのカードキー

 

オリエ「良くやったね」

マナブ「これでいつでも入れる」

エイタ「流石アニキの悪知恵だね」

マナブ「お前の作戦が良かった」

オリエ「アタシのこと褒めてよね」

カンタ「姉ちゃん何した?」

マナブ「相手の気をそらす」

オリエ「カメラの位置をわかってないと出来ないんだからね」

マナブ「下見もだ」

カンタ「姉ちゃんやるな」

オリエ「あんたはそうやって、純真無垢な弟やってれば大丈夫」

カンタ「へっへ〜」

マナブ「さて、今夜いただきに行きますか」

 

今日も4人の一日が終わる。

 

続く