ヒーローってなんだ?

ダルさんがヒーローになるために思った事を綴るblogです

運命の分かれ道 -ダークヒーロー編③-

登場人物 

マナブ…3つの人格を持つ男。父親を亡くした過去の事件のトラウマで解離性同一性障害となる。現在は精神病を患う母を救うために生活をしているが母が悩みのタネでもある。ファースト・セカンド・サードと人格を呼び分ける。本名はマナブ。

 

エイタ…両親を失った3兄弟の長男。乱暴者で身体能力に長けている。

オリエ…3兄弟の長女エイタの妹。柔軟性に優れ潜入と変装が得意。

カンタ…3兄弟の末っ子。実は血がつながっていない。頭脳に長けている。

 

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とある人気のない場所

赤いヒーローと黒いヒーローが戦っている

赤いヒーローが勝利

ダルライザーショー4thAM参照

https://youtu.be/d4DlcWEvGnY

 

アスラ「おのれ、だるま!覚えていろ!」

 

●ダイス基地

 

アスラ「くそぅ…」

No.2「大丈夫か?」

 

アスラの背中のチャックを開けるNo.2

着用しているのはNo.1(田村慶一)

 

No.1「このスーツでも奴には勝てん…」

No.2「だが、一部の人間は黒いヒーローが現れたと思っている。役目は果たした。」

No.6「8%の身体力向上では駄目という事だ」

No.1「リミッターを解除すべきだったか」

No.6「身体の方が持たん。」

No.1「確かに…身体が痛む…」

No.6「少し調整する。アスラスーツを貸せ」

 

山の裏側

イヤホンに手を当てるエイタ

 

エイタ「アスラって言っていたな…」

オリエ「アシュラの聞き間違いでしょ!」

サード「俺もアスラに聞こえた」

カンタ「あながち間違いじゃないよ…これ見て」

 

PCの画面を指差す

 

サード「アシュラの語源…インド神話…」

カンタ「うーん…推測だけど、パスワードとかもサンスクリット語でかけてるかもね…どうりで侵入できないわけだ」

サード「サンスクリット語?」

エイタ「それがわかれば侵入出来んのか!?」

カンタ「うーん…サンスクリットベースのコードの変換法則を…出来た」

エイタ「早ッ!!」

カンタ「わかれば難しくない、仲間には使いやすいシンプルな戦略。賢いね」

サード「なるほどな、しばし準備してからいただくとしよう」

オリエ「今日盗っちゃえば良いのに」

サード「コードがわかっただけで十分だ」

 

●ダイス基地

 

No.1「どうだ?」

No.6「駄目だ、これを動かすバッテリーを積むとなると重すぎてまともに動けん」

No.1「脳の神経波にアクセスするときか」

No.6「人格帯の検知、コピー、偽造人格の精製、上書き。データ容量で250テラのダウンロードとアップロードが必要だ。脳に負荷がかかりすぎる」

No.1「250テラ?そこまで抑えられたのか?」

No.6「核部分だけを狙えばな。そこを特定するのにも時間がかかる」

No.1「実験するのが一番早い」

No.2「失敗したらどうなる?」

No.1「…」

No.2「すまんな、全部聞いていた。話せ」

No.6「失敗した場合に3段階あるとしたら、一番悪いのは脳死。一番マシなのは、身体との通信不可」

No.2「つまり?」

No.1「身体が動かせなくなる」

No.2「ならその間はなんだ?」

No.6「偽造人格の中に記憶が留まる。我らがやった事は全て本人にバレる」

No.2「成功はなんだ?」

No.6「本人にバレる事なく、人格を入れ替えコントロール出来るようになる」

No.2「それは不可能かもしれんな…No.1」

No.1「俺はお前を実験台にはしない」

No.2「サイコスナッチャー計画の変更を考えたらどうだ?」

No.1「…」

No.2「失敗続きだが、洗脳の方が安全だ」

No.1「洗脳は解ける、人格操作は洗脳とは違う。成功すれば最も安全に、信頼で成り立つ環境下で世の中を変えることが出来る」

No.2「…その信頼は、その人間が得てきたものだ。俺はお前を信頼してついてきてる。そこを忘れるな」

 

●古いアパート

盗んできたアスラスーツをカゴに入れて洗濯場に向かうオリエ

 

エイタ「オリエ!見せろって」

オリエ「一回洗濯しよ!汗だくだよ!」

カンタ「待って、待って一回見せて」

オリエ「なんで!?」

カンタ「機械が入ってたら壊れちゃうでしょ!」

オリエ「あ、そっか」

 

しばしチェックと洗濯の時間

サードが着用する

 

エイタ「おわーカッケェ!」

オリエ「悪そう〜」

エイタ「いや、でもこれヒーローのつもりで作ったんだろ!?」

カンタ「あとコレ」

サード「なんだこれは?」

カンタ「奴らのサーバーにアクセスした時に機密データになってたやつ、作ってみた。サイコスナッチャーって名前だから精神を盗む。推測すると相手の考え方を吸い上げるのかな」

サード「精神を盗む…」

カンタ「本当はバッテリーで動くんだけど、腕を振り回すと充電出来る仕組みにしておいたよ。あと、溜め込んだ電気を解放して相手を痺れさせることも出来る。せいぜい軽めのスタンガンくらいだから、足止め程度に使って」

サード「聞いていいか?」

カンタ「自分は痺れないから大丈夫」

サード「いや、違う。精神を盗むってのはどういうことだ?」

カンタ「詳しくはわからないんだけど、250テラのデータを保存できるフラッシュメモリが指せるようになってて、多分そこに相手の思考を入れることが出来るはず」

エイタ「とんでもないの作ってたんだな」

カンタ「でも、奴らはその圧縮プログラムを作れなかったんだね」

オリエ「あんたはそれを作れたと?」

カンタ「うん」

エイタ「流石だぜ、弟よ!」

サード「もしかしたら母さんを…」

カンタ「兄ちゃんを実験台にしてみようか」

エイタ「待て待て、やめろよ!」

カンタ「出力を25%にすれば、相手の脳の中を見るだけ、つまりストリー厶再生みたいな感じ」

サード「…本当に安全か?」

オリエ「カンタの言うことなら大丈夫」

カンタ「でも僕は神じゃない」

エイタ「安心させたいのか、怖がらせたいのかどっちなんだ!」

サード「じゃあ、少しだけ見せてもらおうか、お前の頭の中を」

 

エイタの頭にサイコスナッチャーをあてるサード。

 

サード「ん?何も見えない…どうやったら見えるんだ?」

カンタ「これを使って、メモリに蓄えられたものを自分に転送する」

 

サイコスナッチャーから、フラッシュメモリを抜き取り、ある装置に差し込む。

それを首にあてるサード。

 

カンタ「ボタンを押して」

サード「うおおおおお!?見える!!お前たち兄弟の小さい頃!?普通の暮らしを送ってた…え?……」

エイタ「どうしたんだ?」

サード「……」

エイタ「アニキ?」

オリエ「どうしたのよ!!」

サード「嘘だ…」

カンタ「え?…何が?」

エイタ「アニキ!大丈夫か!」

 

急にエイタに襲いかかるサード

だが、声がいつもと違う

 

セカンド「貴様ァア!!」

 

サードの二番目の人格、セカンドの声

 

オリエ「アニキ!やめて!」

カンタ「なんで急に!」

 

止めにかかるオリエとカンタ

だが、アスラスーツのおかげで力が増している

投げ飛ばされる二人

 

サード「やめろ!やめろ!!こいつじゃない!こいつじゃない!落ち着け」

 

カンタ「…サードアニキに戻った?」

オリエ「…ちょっと、どうなってるのよ…」

 

サード「大丈夫だ、大丈夫。母さんを救える…ダイスに聞かないと」

エイタ「…」

オリエ「聞いて教えてくれるような相手じゃないよ」

サード「普通に聞くんじゃない(サイコスナッチャーが付いた腕を持ち上げる)」

カンタ「…開発者の精神を直接狙う…」

サード「おびき出せ」

エイタ「アニキ…大丈夫か?」

サード「ああ、大丈夫だ。安心しろ、お前たちはここから援護してくれ」

 

サードはダイス基地の方へ向かっていく

 

エイタ「カンタ…アニキは何を見たんだ?」

カンタ「兄ちゃんの記憶のはず…」

エイタ「とてつもない力だった」

カンタ「ああ」

オリエ「本気だった」

エイタ「殺しにかかってた」

オリエ「あたし達、あんなにされるなんて思い当たるフシがないよ」

エイタ「…まさか…」

オリエ「え?なにかあるの?」

エイタ「まさか…サイコスナッチャーを盗むための芝居か?」

カンタ「そんな事は…ないはず。アニキを信じよう…」

エイタ「俺達は誰に盗みを教わった?」

オリエ「確かに…」

カンタ「だったら僕らに援護頼むなんて言わないよ」

オリエ「わからないよ、相手の精神を見るって経験はアニキしかしてない。もしかしたら凄い可能性を感じたとか?」

カンタ「とにかく、戻ってくるか来ないか、それでわかるよ」

エイタ「カンタ、もっと作れないのか?サイコなんとか」

カンタ「部品があれば…でもそれよりアニキが見たものが何なのか調べた方が良いよ、もしかしたら僕らの過去とアニキの過去に接点があるのかも?」

エイタ「…そうだな」

 

 

 

ダルライザーショー5thへ続く

https://youtu.be/kXzn8Ckgqcc