こんにちはダルです!
今回は民報サロンに執筆したものを掲載したいと思います。
先日復興シンポジウムというのに出演させていただきました。
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenmin-sympo2019.html
その出演のキッカケになったのが下記の記事です。(内容を転載しています)
記事を読んで、直接県の方からシンポジウムで話してみませんか?と打診をいただきました。
※民報サロンとは、福島民報新聞社さんが主催する県民の皆さんが執筆する短いエッセイみたいなものです。
『ヒーローとチャレンジャー』
今月十一月二日、ダルライザーを作ってから丸十年が経ちました。当時の目標は十年続ける事でしたが、今はまだまだやりたい事が沢山浮かびます。
この十年で僕の中で出た答えの一つにヒーローの仕事とはヒーローを生むことだと気づきました。とある方が“社長の仕事は、社長を作ること”と言っていました。行き着く先は同じだなと思います。
ヒーローを生むと言うのは、ダルライザーを着用してくれる次世代のアクターを育てる事とは異なります。一つのキャラクターでは限界があるので、ただ同じものを引き継ぐことでは幸せにはなりません。
『キャラクターの世界』で考えれば時代に合った『次のキャラクター』が現れることが、本来の意味であると思います。それは今、共に頑張っている仲間の中から生まれるかもしれませんし、全く違うところから現れるかもしれません。その日のために、まず僕は「転んでも起き上がる」を伝え続けます。
僕の考えるヒーローとは『チャレンジャー』の事です。
並べるとこの言葉、真逆のようです。何でも出来る強いヒーロー、対するチャレンジャーはまだまだ何も出来ないひよっこのような印象があるかもしれません。しかし、ヒーローは誰かを助けるチャレンジをしています。姫を救う勇者だったり、震災の瓦礫から人を救う自衛隊や消防士だったり。彼らは本当に勝てるかわからない戦いに挑んでいるのです。そして、勝っても負けても、ヒーローになれる場合はある。
僕はこう考えるようになってから、チャレンジが怖くなくなりました。勝っても負けてもヒーローになれるのですから、ならば、やったもん勝ちです。だから色々とやりたい事が増え続けます。
ところがそんな僕にも怖い事もありました。映画制作の最中、資金が尽きた時です。すぐにお金を得るのに、銀行の融資を考えました。でも怖い。家族に迷惑かけたらどうしようなど、色々考えました。監督は僕に「借金は男のステータスのバロメーター、借金の額と信頼はイコールだ」と言いました。何を馬鹿なと思いながらも、その言葉に納得をし、返済というチャレンジをすることにしました。乗り越えた先には新しい世界が見えると考え、今はこのプレッシャーも楽しめています。
では、ヒーローがチャレンジャーなら、その逆とは何か。それは、日々自分の経験の枠から出ないで過ごすことです。毎日が同じ行動の繰り返し、これでは発展しません。有名スポーツ選手はルーティンを大切にしても、勝つために必ず次の事を考え、年齢に合わせ別の部分を強化しています。
挑戦には、お金も、身体能力も関係ありません。
今まで経験したことのない別の事をしてみるだけです。それを続けていけば自然と成長していけます。
ここ福島県は震災を経験し、環境が変わり、チャレンジを余儀なくされる方もいました。どんなに大変でも、諦めず、挑戦を続ければ、この経験は必ず将来に独自の変化を生みます。更なるチャレンジャー=ヒーローを生み出すため、僕も転びながらもチャレンジをし続けます。